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研修日記

平成28年度 大分市教育センター長期派遣研修「研究報告会」

掲載日2017年2月27日

本市教育センターの長期派遣研修生(第3期生)による「大分市教育センター研修生等研修報告会」を行いました。

 教科等に関する研究では、宇佐野 章子教諭(大分市立滝尾小学校)が「論理的に思考し、書く力を育てる国語科学習指導~三角ロジックの活用、交流を手立てとして~」について報告しました。考え、事例、理由の三角ロジックの活用、交流を通して、子どもが自分の論理を客観的にとらえ、論理的に思考し、書く力を培う学習のステップが、授業実践を通して示されるとともに、論理的に思考し、書く力が高められていく必然性も報告されました。三角ロジックの活用と交流は子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」につながる重要な要素であり、大変意義のある研究報告でした。

 特別支援教育に関する研究では、芳野 あゆむ教諭(大分市立春日町小学校)が「特殊音節の書字に困りがある特別支援学級在籍児童への文字指導の工夫~ことばの音や文字を意識し操作する力を育てる指導・支援を中心に~」について報告しました。「特殊音節を含むことばを書字できる」ための手立てが具体的に示されるとともに、「書けるようになった」ことで子どもが自信をもち、「書いてみたい」「伝えたい」という意欲につながる。さらには日常生活の変容も見られたという報告でした。子どもの実態把握をし、それに即したより効果的な指導・支援の在り方が検証されたことは教育研究として意義ある報告でした。

 不登校対応対策に関する研究では、齋藤 智子教諭(大分市立東大分小学校)が、「自分を肯定的に認め、集団への適応感の高まりをめざす支援の工夫~集団活動と個別面談におけるストレングスアプローチの実践を通して~」について報告しました。集団活動と個別面談においてストレングスアプローチを取り入れることで、不登校の子どもたちにとって、自他を肯定的に捉え、良好な人間関係づくりに有効に作用し、集団への適応感の高まりへの効果が見られました。ストレングスアプローチの授業実践が具体的に示されており、学校はもちろん研修等にも活かせる研究として意義深い報告でした。

 最後に、三浦享二教育長から3名の研修生に、それぞれの研究報告に対して、成果や課題が伝えられるとともに、「私たちの教育活動ができるのは、先人の教育効果があるからである。私たちは研究のまとめをすることにより、後に続く人に成果を残す使命がある。それぞれの研究成果を教育現場に還元してほしい。」と講評をいただきました。